塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル（クロロエチレン）が重合してできる　　　　　合成樹脂の一種です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　塩化ビニルを主体とする共重合体も塩化ビニル樹脂と呼ばれます。　　　　　　　英語表記の Polyvinyl  chloride からPVCと略されます。　　　　　　　　　　　　塩化ビニル、または塩ビやビニールとも呼ばれます。

 

塩化ビニル樹脂のことを塩化ビニルと呼ぶことが多いため、　　　　　　　　　　単量体である塩化ビニルは、塩化ビニルモノマーと呼ぶこともあります。　　　　有機化合物としては、クロロエチレン、またはクロロエテンとも呼ばれ、  　　　下図のような構造をしています。

 

　　　　　H　 Cl　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　C ＝ C 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｜　｜　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　H　 H

 

モノマーとしての塩化ビニルには発がん性が確認されており、　　　　　　　　　塩化ビニルを単体で使用することは禁止されています。　　　　　　　　　　　　ただし、塩化ビニル樹脂に毒性はなく、塩化ビニルも樹脂の材料としての　　　　製造は続けられています。

 

添加剤を加えられていない重合体は硬い樹脂であり、　　　　　　　　　　　　　通常は、可塑剤や安定剤などの添加物を樹脂に加えます。　　　　　　　　　　　可塑剤の含まれない（または、添加量が少ない）樹脂を硬質塩化ビニル樹脂、　　可塑剤が加えられた樹脂を軟質塩化ビニル樹脂と呼び、　　　　　　　　　　　　軟質のものはソフトビニール、またはソフビとも呼ばれます。

 

性質として、水や酸・アルカリ、溶剤に対する耐性を持ち、　　　　　　　　　　また難燃性や絶縁性を持つため、その用途は多岐にわたります。

 

硬質のものは、水道管や電線管などのパイプ製品、ビンなどの容器、　　　　　　または建築材料としても使われます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　軟質のものは、フィルムやシート、塗料、玩具などに使われます。