エマルションとは、２種類の液体を混合したときに一方がもう一方の液体中に　　微小な粒子（1nm~1000nm）として分散している状態のものをいいます。　　　よって、完全に溶解した状態とは別の状態になっています。　　　　　　　　　　例としては、マヨネーズや牛乳などがあります。

水の分子は 1nm ほどの大きさであり、水と完全に溶解するためには　　　　　　溶かす物質も水のなかで水分子ほどの大きさまで小さくなる必要があります。　　食塩水の場合には、水に溶けた塩（塩化ナトリウム：NaCl）は 1nm 以下の　　　粒子となり水の中に均一に広がり、完全に溶解します。　　　　　　　　　　　　そして、その溶液は透明な液体となり濁ることがなく、　　　　　　　　　　　　一度完全に溶解してしまえば分離することがありません。　

食塩水は固体を液体に溶かしたものですが、　　　　　　　　　　　　　　　　　エマルションは２種類の液体を混合したもので、　　　　　　　　　　　　　　　その液体は半透明から強く濁ったものがあり、乳濁液とも呼ばれます。　　　　　また、２種類の液体をエマルションにすることを乳化と呼びます。

基本的にエマルションは不安定な状態にあり、どれだけ混ざっているように　　　見えても時間が経過すれば必ず分離していきます。　　　　　　　　　　　　　　そのため、分離を抑えるための乳化方法がさまざまに開発されています。

エマルションの例として、マヨネーズや牛乳のほかには　　　　　　　　　　　　塗料や接着剤などがあり、塗料に含まれる樹脂などを水に乳化させたもので、　　水性塗料は、水性エマルション塗料とも呼ばれます。